左股関節の内側がつって痛く椅子に座れない60代女性の痛みの推移考察
何かをきっかけにして痛みの位置が変わることがあります。
整体の範疇の痛みは、その箇所が悪くて出ている痛みではないことが多いからです。
今回、左股関節の内側がつって、右のお尻だけでしか腰掛けられない、地べたで座って足を伸ばすと左足がつって伸ばせない状態でご来院。
痛みの始まりは一か月前のぎっくり腰です。
左股関節の内側がつって痛く椅子に座れない60代女性の施術
お身体の状態
「片方のお尻でなら座れます。」
右のお尻だけで椅子に座ってられます。
「一か月前ギクッとなって、いつもの整体が効かずに、そこで紹介された整体に行って、きつい施術を受けました。」
「痛みが引かず。その一週間後、整形外科でレントゲン、痛み止めとリハビリを受けました。」
「腰は痛まなくなったんですけど、股関節がつるようになって、椅子に1分しか座れない。ベッドで足が伸ばせない。」
60代女性。
動きでの状態確認
普通に椅子に腰かけると、左股関節の奥のほうがつって痛くて、無理しても1分くらいしか座れない。
ベッドで座って足を伸ばしてもらうと、左足はつって伸ばせない。
前屈でハムストリングスのつっぱり。上体を起こすと左内側股関節のつり。
左足をあげて下すときに左内側股関節のつり。
後屈、大丈夫。
整体チェック法でみた不調との連動(引き合い)部位
- 内部緊張との連動
- ストレスが直で関わる
- みぞおちの緊張との連動
- 左ふくらはぎの緊張との連動
刺激に対する防御反応がチェック法に反応します。
自律神経がかけている緊張に対し自然な解放を促す施術
自律神経が起こす筋反射を利用した整体チェック法で、からだに溜まった緊張を一つ一つ捉え解放を促していきます。
マッサージやストレッチなど刺激は入れない施術です。
施術経過
初回施術
整体チェック法でチェックしながら、反応する緊張に対して自然な解放を促していきます。
ぎっくり腰の時に受けられた整体に対する防御反応。
ストレス系緊張が反応。
ある程度、部位間の引き合いが緩んできたので確認。
「前屈から起こすとき大丈夫です。キュッとならない。」
ベッドで座って足を伸ばすと、
「!? 足伸ばせてます!」
「あ、足をベッドから降ろすときにキュッと痛かったです。」
再調整で、
「あ、大丈夫だわ。キュッとならない。」
お辛さない状態で、可動域も改善。
施術後の説明が、初回なので40分くらいかかりましたが、椅子に普通に座ったまま大丈夫でした。
2回目施術 前回から4日後
「今日午前中集まりがあって、1hは座れていました。」
「まだ、もし戻ったらって思うから、それ以上は試せてないですけど。」
最初は1分だったから、股関節に関しては問題なさそうです。
腰から股関節に痛みが推移したことの考察
痛みがなくなったら、「良くなった。」って誰でも思います。
たとえば、包丁で手を切ってしまったとか、傷が入った場合、その箇所に痛みを出す必要があるので、脳は傷がくっつくまでその箇所に痛みを出し続けます。
この場合は、痛みがなくなれば問題ない状態と判断してよいと思います。
しかし、整体の範疇の痛みの場合は、脳がその箇所に痛みを出したくて出している場合もありますが、大半は、緊張の蓄積と筋膜を通じた連動現象などで結果的にその箇所に出てしまっているだけなのです。
ですから、カラダが良くなっているか?とは、
- 全身の不調を確認して総合的に判断
- 全身の主な関節の可動域を確認する
ことが大切になります。
腰の痛みがなくなって、股関節に出たのは、今回は、腰が良くなって股関節が悪くなったのではなく、何かがきっかけとなって腰から股関節に影響が移っただけで、カラダ全体に付帯している不要な緊張の量は変わっていないのです。
実例に見る不調が推移する現象
慢性腰痛に悩んでるA様がアゴの強い痛みでご来院。
「アゴをマッサージしたら腰痛が治るって、ネットに書いてあったんです。」
「やり続けたら、腰の痛みは減ったのですが、アゴが強烈に痛くなって。」
ご来院されたとき、アゴの痛みがかなり強い状態でしたが、腰の痛みも残っている状態でした。
整体チェック法でチェックすると、
- 腰痛:内部緊張との連動(引き合い)
- アゴ痛:内部緊張との連動(引き合い)
双方の不調で主に内部の緊張が反応しています。
施術で、内部緊張に対して自然な解放を促し、それが緩むと引き合いがなくなり、腰もアゴもその場で痛みが無くなりました。
意味のないマッサージにより、引き合いの対象が腰からアゴに変わっただけと判断しています。
不調が出た時に大切なこと
今回の60代女性の経緯では、ぎっくり腰が、その後受けた2つの整体で悪化して、整形外科で、腰から股関節に影響が推移したことになります。
病気や疾患ではなく、整体の範疇で起きている不調は、必ず自律神経の仕組みが関わっています。
つまり、ストレスなど、理由があって自律神経の仕組みが入れてくる緊張。
それが溜まって、許容範囲を超えた状態。
マッサージなどの刺激で、自律神経が入れている緊張を直接的に解放できるだろうか?
ぎっくり腰になったら、まず最初は、整形外科で検査することが大切です。
検査で異常無いぎっくり腰は、整体の範疇の不調。
カラダを強制的に休ませる安全機能が働いたと思って、意味のない刺激を入れずに、まずは、ゆっくり休むことを優先したほうが良いです。
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完全無痛の技術
- 技術的特徴
- ●不調の原因(緊張)を捉える技術(整体チェック法)
- ●緊張の開放を促す技術
- この2つが一体化していることが特徴。
- 緊張の解放に比例した、不調やバランスの改善をその場で確認できます。
お辛さには必ず原因が存在しています。
医療機関で手だて無く悩んでおられる方へ、意外と整体的要因が原因である場合があります。ご相談ください。