ストレスが原因の頭痛と顎関節症に悩む70代女性
「顎関節症が原因で頭痛になると言われた」と、お客様がら伺うことがあります。
実際には、併発で来られる方の99%以上の方が、顎関節症も頭痛も結果であってそれぞれの原因ではないことが施術からわかっています。
今回は、
過去から徐々に溜まった緊張による開口制限と、思考や感情を抑圧することで脳が出す痛みが、頭痛、首痛、こめかみ痛として出ていた事例です。
以下、動画の詳細を解説しています。
ストレスが原因の頭痛と顎関節症に悩む70代女性の施術
お身体の状態
3週間前から、
頭痛:右頭の中がキリキリ痛い。右首・右肩も頭とつながってキリキリ痛む。
顎関節症:口が開かない。開けようとすると左こめかみに痛み。
娘様のご紹介でご来院。70代女性。
整体チェック法でみた施術ポイント
不調と連動する緊張部位は、主に下腹部内臓系周囲に溜まった緊張がチェック法に反応。
3回目の施術で、ストレス痛のメカニズムが関わる痛みとわかり、そのアプローチをおこなった。
自律神経がかけている緊張に対し自然な解放を促す施術
自律神経が起こす筋反射を利用した整体チェック法で、からだに溜まった緊張を一つ一つ捉え解放を促していきます。
マッサージやストレッチなど刺激は入れない施術です。
施術経過
初回施術前の状態
「右頭の中がキリキリ痛い。右首と右肩も頭とつながってキリキリ痛む」
「口を開けると、左こめかみに痛み」
口が開いていません。
初回施術後の変化
開口で、左こめかみに違和感残るが、頭痛、首痛など痛み消えて終了。
開口は、少しだけましに。
痛みが消え、開口も開きだしたので、スムーズに改善していくとこの時点では感じていたのですが...。
この後は、施術前比較をしていきます。
2回目施術前の状態(前回から8日後)
「忙しさもありました。ロキソニンに頼っていました」
「顔の痛み、頭の痛み、首筋の痛み、口を開けた時の痛み、噛む時の痛みがあります」
「シャンプーで頭皮も痛い」
頭痛など痛みと開口が、初回施術前にもどっている。
3回目施術前の状態(前回から7日後)
「いったん寝るが、深夜2時くらいから左頭が痛くなる。同時に首筋も痛くなって目が覚めて、そこから寝れない」
「これを繰り返しています」
改善の戻りが強いだけでなく、不調が強まっている。
心の状態と連動する痛み(ストレス痛)がかかわっている可能性
3回の施術前までの状態の変化から、
1.改善の戻りが大きい
・痛みの戻り
・開口幅の戻り
2.寝ているときに強い頭痛で目が覚める(病院の検査で異常なし)
この2点から、
思考や感情を抑圧することにより出る痛み = ストレス痛の可能性
があると考えて、ストレス痛の説明をしました。
すると、元になっているかもしれないストレス事象を話していただけた。
自律神経の筋反射を利用した緊張を減らす手法で、ストレス事象に関係する残緊張にアプローチして3回目の施術は終了。
4回目施術の状態(前回から6日後)
「頭痛は取れました。頭の中の痛みが出なくなった」
「夜、頭痛や首の痛みで目が覚めることがなくなりました」
「シャンプーでの頭皮の痛みもなくなりました」
「顎の痛みもなくなって、食べるの楽になりました」
頭痛や顎など、首から上の痛みの出方に大きな改善が確認できました。
開口はまだ不十分です。
5回目施術前の状態(前回から14日後)
「痛み止め飲まなくて良い日が増えて、良くなってたんですけど」
「昨日、軽い頭痛が出てきました。前の様な痛みじゃないです」
痛みが出る前に何かストレスありませんでしたか?
「一昨日、すっごく腹が立つことがあったんです!」
それですね。
より、ストレスと不調との関わりを認識していただくことができました。
今回のストレスは一時的なもので、尾を引くことはないでしょう。
開口は、経過相応に緩んできています。
6回目施術前の状態(前回から2週間後)
「頭痛・首・顎など痛み出なくなった」
「食欲が湧き、普通に食べれる」
食事も開口も痛みも不自由無くなり、ご本人はこの施術で満足され、一つの区切りになりました。
改善経過まとめ
頭痛や顎の痛みなど、痛みの関連はストレス痛のメカニズムによるもので、
結果、3回の施術で大きな改善に至りました。
開口については、生まれてから今までに徐々に体に溜まった緊張の影響で、
施術回数に比例して徐々に開いてきて、トータル6回の施術でご本人も満足な状態になりました。
顎関節症(開口障害)は6回かかりましたが、頭痛は3回で改善の区切りが確認できているので、顎関節症が頭痛の原因ではなかったケースと言えます。
整体所感
頭痛は横になると弱くなる傾向がありますが、
寝て何時間か経って強い頭痛で目が覚める。
病院の検査では異常が無かった。
この様な痛みの出方は、思考や感情の抑圧が関わっていることがあります。
- 考えすぎにより脳過労に至り脳が痛みを出してくる
- マイナスの感情を抑え込む手伝いを脳が痛みを出すことでしてくれている
考えすぎると脳が疲労します。
脳が疲労し過ぎると、体の管理ができなくなるため、体に痛みを出してそちらに意識を向けさせて、考える量を減らそうとしてくると言われています(脳の自己防衛)
マイナスの感情を抑え込もうとした場合。
腹が立つなど、マイナスな感情を抑え込もうとしたり無いものにしようとすると、脳が痛みを出すことでお手伝いをしてくれます。(抑圧された感情に対する防御反応)
強い頭痛を出せば、そのことを考えられなくなる。
当然、頭痛以外の形で他の部位に出る場合もあります。
意識をマイナスの感情から痛みの方に向けることができれば、マイナスな感情を忘れる手助けになると脳が判断していると言われています。
抑圧された感情に対する防御反応
筋骨格系の症状であれ、消化器系や泌尿生殖器系の症状であれ、身体にさまざまな症状が現れるのは、当人の注意をその症状に引きつけるためである。
サーノ博士のヒーリングバックペイン(著者 医師・教授ジョン・E・サーノ)より
夜中に痛みで目が覚めるケースでは、床に就くと夢などでマイナスの感情を思い出してしまっていたのでしょう。
大なり小なり病院の検査で異常が無い不調にはこのようなメカニズムが関わって起きています。
対策としては、
- 痛みのメカニズムを理解すること
- ストレス発生時の残緊張があれば取っておくこと
- 効果的なセルフメンテナンスを実践すること
ストレスの種類を理解して、それについて意識的に避けたり減らすことができれば、このメカニズムが働きにくくなる場合があります。
責任感ストレスなどは、自律神経に影響が出やすいですが、意外とストレスとして認識されていないことが多いので気を付けるポイントになります。
自主的に脳を休めるセルフメンテナンス手法を知っていれば、マイナスの感情の影響を自分で減らすことができます。
今回のお客様の事例では、感情を生むストレスになっていた事柄にかかわる過去の残緊張を減らしたことが大きな改善につながりました。
気を付けること
不調は、基本的には脳が起こしてくれているわけです。
マッサージの様に刺激を入れたり、ストレッチのように伸ばしたりしても根本の原因にアプローチできているわけではありません。
むしろ、刺激という物理的ストレスに脳が反応して、その箇所に緊張を入れてくるので(刺激に対する防御反応)、長期的には付帯する緊張が増えて状態が悪化する傾向があります。
緊張を減らす施術をおこなっている私が感じるのは、
刺激を入れてこられた方は、防御反応により緊張のリレーションが複雑化したり、本来取るべき緊張が奥に追いやられていたりで、緊張を減らす施術での工数が増えてしまう傾向があります。
不調が出た時に、不要な刺激を体に入れないことが早い改善につながります。