ストレッチと足底筋膜炎
「右足裏の外側と踵、アキレス腱までが、歩いたり体重かけたりで痛みます。」
「元々は、2年前からマラソンの走り過ぎの時に出たり、ゴルフの後に出たりしていました。」
「前は伸ばすと治っていたのですけど、今は痛みが出たままです。」
40代男性。
歩いていただくと、右足アキレス腱から踵を通り足の外側まで痛み。
経緯から、よくある足底筋膜炎と同じ要因と感じますが、痛みの範囲が広いです。
右肩には以前からの慢性痛。
整体チェック法でチェックしながら無痛の技を入れていきます。
整体要因リレーション:
(右足の辛さ)
- 冷えによる内部の緊張との連動 20%
- 直接的にかかるストレス系緊張 20%
- 左ももにかかる緊張からの影響 20%
- 両ももにかかる緊張からの影響 15%
- でん部の緊張からの影響 20%
緊張の蓄積現象が、太もものところで特徴的なかかり方になっています。
相対解除の間接手法を使って、内部の緊張、部位の緊張、部位間の連動など蓄積を順序良く解放させていきます。
初回の確認。
「踵まわりの痛み減っています。すげー。」
「肩の痛み減っています。」
「前屈の可動域が増えました。」
さらに深部の緊張を解放して確認。
「踵まわりはだいぶ取れてきました。」
「肩がすごい楽!」
「前屈で手が床に楽に付きます。」
微調整を加えて、
「すごい減りました。全然違います。」
「走れそうな感じです。」
冷え取りの最適値と、マラソンの練習はしばらく休んだほうがよいことをお伝えして終了。
(2回目 3日後)
「すっかり、というか。ちょっとはあるんですけど、小走りで違和感くらいで、もう走れそうな感じです。」
「前回言ってなかったのですけど、右ひじの痛みがあったのですけど、なぜか消えていました。」
「肩は気にならないですし、首に違和感くらいです。」
「あと、すごく眠れるようになって。不思議!」
同様の施術で痛み消えて終了。
(3回目 4週間後)
「走っている分には問題なくなってきて、8kmくらい走って大丈夫でした。」
「ただ、出張をすると、くるぶしに近いところに少し痛みが出たりします。」
「あと、肩が少し出てきました。」
ストレスと連動して出張時に出やすいらしいです。
施術ではストレス系緊張が主でした。
まだカラダの余裕が十分とはいえないので、強いストレスで一時的に痛みが出ていますが、出たままにはなっていません。
痛みの出方、施術での取れやすさから、改善の経過としては終盤と考えてよいと思います。
次はメンテナンスとして間隔をさらに開けていけます。
【以前は伸ばすと痛みが消えていた】
緊張の蓄積が筋膜のテンションなどに変化をもたらします。
ストレッチなど、伸ばすことによって筋膜のテンションが分散されて、痛点の緊張がカラダの許容範囲内に収まると、痛みを感じない状態に変化する場合があります。
これは、緊張の蓄積量が多くないから起きている変化であって、
蓄積が増えて、ストレッチによる分散で緊張が許容範囲内に収まらなくなると、痛みが変化しなくなるわけです。
ここで大切なのは、
- ストレッチで本来の整体要因が消えているわけではないこと
- 痛い箇所へのストレッチでカラダの防御反応が起きる可能性が高いこと
このことを理解することが大切です。
カラダの防御反応とは、刺激に対してカラダがその箇所に緊張を入れて守ろうとする反応。
防御反応が加わることで痛みが増したり、痛む範囲が広がったりします。
「お風呂で温まると腰の痛みが減るので、湯船で腰にストレッチを入れました。」
「そしたら、次の日に起きれなくなって...。」
これは私の経験でもあります。
防御反応は時間差で起きるので、悪化への因果関係に気づかず、繰り返してしまっている方が多い。
ストレッチで悪化しているケースは少なくないと施術を通じて感じるところです。