股関節が痛くて椅子に座れない60代男性 歯列矯正との関係は?
歯列矯正は必ず体へ影響を及ぼすことは、原因にアプローチし、経過の確認をしている整体師は普段から感じていることと思います。
中には、「歯の矯正中は施術を受けません」という主義の方もおられますが、施術にどこまで影響があるかは、矯正の範囲と個人の体の状態との双方の関係によるものです。
今回は、歯列矯正の影響がわかりやすかった一つの事例として経過を書き留めておきます。
股関節が痛くて椅子で仕事ができない60代男性の施術
からだの状態
「右側の腰から股関節にかけて痛くて、椅子に座って仕事ができなくなったんです。」
60代男性が紹介でご来院。
膝下を床につけた状態でPC作業をせざるを得ない状態です。

椅子に座ると右股関節の内側にも痛みが出てきます。
ベッド上で膝を開くと、腰から股関節の痛みで膝が開きにくく上体がうまく起こせない。
後ろに手をついて支えています。

施術経過
整体チェック法でチェックしながら、自律神経がかけている緊張の解放を促し、溜まった緊張を一つずつ減らしていきます。マッサージやストレッチなど、不要な刺激は入れません。

初回施術
整体チェック法では、右股関節の痛みは、からだ内部緊張との引き合いが目立ちます。
マスキング的にかかわっている事象として、
- 抜歯+歯科矯正
- 13歳のけがによる腰痛
- 19歳の時の腰痛
- 34歳のけが
の時系列の残緊張がかかわっているみたいです。
緊張に対して自然な開放を促し、ある程度、緊張が減ったところでベッド上で足を開いていただくと、
「少し起こしやすくなっています。けど、まだまだ痛い。」
「肩の痛みは消えました。」
かなり、溜まった緊張の量が多いです。
再調整を5回くらい繰り返すと、
「あ、さっきより体を起こせる。」
「痛みは残っています。」

緊張が減った分可動域は変化しましたが、膝を開いた状態で足首を持つに至らない、まだ痛い。
前屈の痛み、座位の股関節内側の違和感は残って終了。
2回目施術(前回から5日後)

「椅子に座れるようになってきた。」
「右股関節は違和感を感じるレベルです。」
治癒力が働きやすくなり、からだが前回術後より良い方向に動いています。
3回目施術(前回から8日後)

「だいぶ良く痛みほとんどない。」
「朝、右腰から股関節内側まで違和感を感じる。」
4回目施術(前回から14日後)

「まったく何もない。ストレスない。」
この施術で卒業かと思われました。
5回目施術(前回から1か月後)
歯医者で歯列矯正のテンションを上げた後に不調が出てきました。

「今までと反対の左股関節の違和感と左肩の痛みが出てきました。」
4回までの施術で、からだに溜まった緊張が少なくなっており、おからだに余裕ができている状態だったので、歯列矯正のテンションアップの影響は軽微でした。
「寝ている歯を矯正で少しずつ起こしているんです。」
「ここに来させてもらう前の悪化したタイミングも矯正の直後だったんです。」
なるほど、間違いなく歯とからだは連動していますね。
整体所感
身体は連動する
身体は記憶する
「からだ」は、腰を中心とした一つの連動体。
すべては連動して全体を構成し、全体は部分部分と連動しているのです。
「こころ」は「からだの働き」と連動し、
「からだ」は、「こころの方向性」と連動しているのです。
『整体学』宮川眞人(健昴会代表) 著
私は、この本に感銘し、この本が整体を本格的に学ぶきっかけになりました。
健昴会は遠く、最初は骨格に着目しているカイロプラクティックという技術を習うことにしたのですが、私が習ったところでは、連動するとか記憶するとか、心とのかかわりとか、そういう概念は乏しかったと記憶しています。
身体を管理してくれている自律神経に着目した技術を習い直し、それを発展させ、自律神経が筋膜にかけた緊張を一つづつ解放させていく技術にたどり着いたとき、実践の中で、身体が記憶していること・抜けない硬直の真の原因などが理解できるようになったのです。
過去に起きた事象に紐付く残緊張へのアプローチが大切
体は体とだけ連動しているのではなく、心とも連動しているといえるのです。つまり、一つの心の方向性が、体をある形に方向づけてしまうという連動があるのです。
その大きなものが「心の打撲」の問題です。
人は、まさしく精神性の動物です。心の痛手・精神的ショックというものは、いつの間にか体を硬直させ、そして、それが抜けない状態になってしまうのです。
『整体学』宮川眞人(健昴会代表) 著
宮川先生の著書では、心の痛手・精神的ショックを取り上げて説明されていますが、
施術経験の中で、からだに残る硬直(緊張)に影響する要素として、
- 事故
- けが
- 手術
- からだへの強い物理的刺激
なども、「体をある形に方向づけてしまう」要因になっていることがわかっています。
当院での技術的視点では、
上記要因に対して、マスキング的に当時の残緊張が残っていることがわかっています。
その残緊張が、抜けない硬直の元になっているので、これら残緊張に対して自然な開放を促す手法を使って減らしていくと、お身体が整う方向に変化していきます。
残緊張は、大半が今は入れていなくてよい過去の緊張なので、自律神経に着目した手法で開放が可能なのです。
歯列矯正の影響は?
この度の施術では、
残緊張の影響:歯列矯正の影響=8:2
位に感じています。
つまり、不調の主要因は、過去にあった腰痛やけがにかかわる残緊張をため込んでいたことであり、
矯正の影響は少なかった事例と考えています。
しかし、過去には学業に支障が出るレベルで症状に直結していた事例があるので注意が必要です。
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岡山市 整体院 ほぐし庵
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