順応
娘さんのご紹介でこられた80代の男性。
「ちょっと物を担いだ時、背中にいつもと違う痛みが走った」
「病院にいったが、背骨の歪みもあり、治療せずに様子をみることになった」
「仰向けに寝ていると、動かさなくても痛みを感じる」
うつ伏せになっていただき、触診をする。
側湾の軽い状態、あばらが一部分背面に盛り上がっている。
あばらの盛り上がり付近の背骨に痛みが発生している。
この方の場合、側湾は順応で、そこは戻さなくていいでしょう。
年齢と場所を考えると、負荷はかけられない。
もっとも当店の整体は負荷がかかるものは一切ないのだが、さらに慎重に行う必要があると感じた。
ゆらゆらと揺らしながら、軽く手を添える。
この手技は独自にアレンジした手技ですが、神経の緊張を緩めるし、コリなどもその場で引いてしまう場合がある、そして、背骨の調整に有効なことを経験でつかんでいる。
痛みの起因を考えながら、「カラダを許容範囲に戻してあげればそれでいい」。
師匠の言葉を思い出しながら施術。
その場で必要以上に刺激したくなかったので、術後の確認は生活に戻って確認していただくことにした。
一週間後のご来店。
「不思議じゃ」
「なんでかわからんけど不思議じゃ」
痛みがなくなっていました。一週間変化していないみたいです。
うまくいってよかったです。 ホッとします。
(不思議なのは、施術ではなく人間)
理論が人の特性に沿ったものであれば、人の能力(治癒力)は最大限に発揮されていきます。
そして、与えられた環境に、即座に順応し、快方に向かって走り出します。
いまだに順応しないのは、私の言葉。 関西弁がまだ抜けません...。