理解
夜一時ごろだったか、いつもと違う音で目が覚めた。
隣で寝ている祖父の様子がおかしい?
ふすまを開けると、介護用の手すりにしがみついて動けないでいる。
トイレに行こうとして立てないでいるらしかった。
すぐに抱えてトイレを済ませた。
祖父が、「一晩でこんなになるかなあ」とつぶやいていた。
意識はシャンとしている。
94歳。もう寝たきりになってしまうのかなあと思った。
その日は、一時間おきに介護。
ふと、冷えを疑って足をさわった。
(あたたかい。電気毛布しているしなあ。)
夜が明けて、どたどたっと音がした。
かろうじて自分で立てるようになっていた。
なんだったんだろう。お酒か?
(毎日のことで、量もコントロールしている。電気毛布でカラダが徐々に温まったという解釈もあるか...)
試しに足湯を30分してもらった。
「えらいもんじゃなあ。足が軽うなったで。」
「ちょっと前に戻った感じじゃ。」
(確かに足取りが変わっている)
夜、再発しなければと緊張しながら寝ていたが、いつもの夜に戻っていた。
当然、次の日も足湯。これからの習慣にしてもらいます。
立てなかったのはいったいなんだったんだろう。
それはわからないが、足湯での足取りの変化に本人がおどろいている状態。
足の痛みも消えたらしい。
夕食では、この話題が肴になった。
ほとんどが、コタツと寝床の往復。お風呂もきっちり入っている。
冷え=体内の温度差
冷えと言うことの意味を、今やっと理解できた気がする。
でも、足がぎりぎりの状態であることは間違いないかもしれない。
いつまでも長生きしてほしい。