事故による股関節痛の悪化に膝痛が加わり歩くのが辛い50代女性
事故に遭うと、いつもと違う緊張が体にかかります。
それは、抜けにくい緊張であることが多いので、滞りとなり、不調が発生しやすくなります。
今回は、事故ムチウチがきっかけで20年以上続く首痛に加え、事故がきっかけで悪化した股関節痛と膝痛のお客様の改善経緯です。
事故の影響も強かったですが、それ以外の影響も見えてきました。
事故による股関節痛の悪化に膝痛が加わり歩くのが辛い50代女性の施術
お身体の状態
「20代後半に追突事故でムチウチになって、色々やっても良くならなくて、それ以来の首痛と。」
「3年半前に、手伝いで大きいものを運んで股関節と臀部に痛みが出始めて、その半年後にまた事故に遭って、股関節痛がそれで悪化して。」
「3ヶ月まえ、筋肉つけろと指導されて運動していたら、急に膝の内側に痛みが出始めて、長く歩けなく、今は触れただけでも痛くなっているんです。」
50代女性。
動きの確認で、頭を動かすと頭付け根と左首筋に痛み。
後屈で、首と背中と腰に痛み。
座って胡坐のように足裏合わせて膝を広げると、左のお尻、内股、膝の内側に痛み。
触れても痛いのは膝の内側から太ももにかけてです。
整体チェック法でみた不調との連動部位
首の痛み:
- 内部緊張との連動 20%
- ストレスが直で関わる 30%
- 左太ももの緊張との連動 20%
- 肩の緊張との連動 20%
股関節の痛み:
- 内部緊張との連動 25%
- ストレスが直で関わる 30%
- 肩の緊張との連動 20%
- 左膝の緊張との連動 20%
膝の痛み:
- 内部緊張との連動 20%
- ストレスが直で関わる 30%
- 肩の緊張との連動 20%
- 左膝に直接緊張の蓄積 20%
内部緊張とは、内臓系周りの筋膜にかかった緊張で、今回は温度差ストレスの影響が強そうです。
自律神経がかけている緊張に対し自然な解放を促す施術
自律神経が起こす筋反射を利用した整体チェック法で、からだに溜まった緊張を一つ一つ捉え解放を促していきます。
マッサージやストレッチなど刺激は入れない施術です。
施術経過
初回施術
整体チェック法でチェックしながら、反応する不要な緊張層の解放を促していきます。
自然な解放を妨げている緊張層のチェック、それに紐付く古い緊張の解放を促します。
自然な解放を妨げている緊張層としては、事故に対する防御反応、体に合っていない療法に対する防御反応などが整体チェック法に反応していました。
ある程度、緊張の解放が進んだところで最初の確認。
「ああ、腰はさっきより曲がります。楽です。」
「でも、首はまだ痛いです。」
「膝も痛い。」
再調整で、
「ああ、なんとなく上に向きやすくなっている。」
「左首は痛いけど後ろ側は大丈夫です。」
立位で膝を開くと、
「股関節も少し楽です。膝には痛みがあります。」
座って膝を開いていただくと、
「あれ?内ももから膝までの触れただけで痛んでいたのが消えてます。」
再調整と確認を繰り返し、最終は、
首左右の痛み残る。立位での股関節ましで、膝の痛み残る。座って膝を開いた時の膝の内側痛は消え、お尻、内股関節、足首には痛み残る状態で終了。
温度差による自律神経も乱れの影響を日々リセットするために、半身浴の個人ごとの最適値をお伝えして終了。
2回目 4日後
「帰ってから全体的に倦怠感と痛みが出たけど、次の日からそんなに気にならなくなって。」
「昨日、歩いてみたら歩けなかったんですけど、今日は歩けます。」
「手首の痛みが出てきて、10代の時の怪我を思い出しました。」
3回目 9日後
「わりと調子が良い。」
「歩くと臀部と膝に出ますが、内ももから膝の痛みは無くなりました。」
「そして、庭の草むしりで、しゃがめるようになりました。」
「首は、可動域は前より良くなったけど、痛みはまだ出ています。」
4回目 15日後
「今回は、色々出てきました。」
「事故の後のような首の痛みが最初に出てきたのと。」
「腰の痛みも出ました。今は引いています。」
「股関節、膝、足首も後半には出てきました。」
5回目 22日後
「水害で家が無茶苦茶で、大変だったんです。」
「けど、動けてたんですよ。」
「家族からも、痛いって言わないねって言われて。」
「改善の実感が出てきた感じがします。」
6回目 25日後
「疲れが溜まっています。」
「復興で、土嚢をあげたりとか、段ボールを上げたりとか、力を使うことが多くて、首に来ました。」
「2-3日前から、お尻が張ってきて、膝も痛みを感じだして。」
「でも、わりとスムーズにやってたんです。身体使った時も、さほど足が気にならなかった。正座もできるようになりました。」
7回目 9日後
「冷蔵庫を動かしたんです。」
「そしたら、腰が痛くなって。」
「用心して早めに来ました。」
8回目 36日後
「結構いいと思います。」
「最近、足が痛かったことを忘れていることが多いから。」
「時々、お尻の張りが気になるくらいで、歩いても大丈夫です。」
「昔は、台風の気圧で痛みが出てましたけど、そういうのが出なかったし。」
「首も、動かしたら痛みは出るけど、前のような痛みじゃない。」
「気づいたら結構経ってたんで、予約するのを忘れていたくらいです。」
よかった。
9回目 33日後
「朝、起きた時に首が痛くないです。」
「何十年も、朝起きたとき首が痛いのが当たり前だったけど。」
「足は、被災してから、ちゃぶ台で地べたに正座する生活がまだ続いているんですけど。」
「気にせずに正座できている時と、用心しないといけないかなと感じる時と、波を感じながら生活しています。」
リフォームがうまくいかずに心的ストレスとかあるみたいで、いつもと違う状況でありながら、体調の波の低い時でも生活に困る状態ではなくなってきました。
これで、一つの区切りになりそうです。あとは、メンテナンス間隔でさらなるパフォーマンスアップを狙っていきます。
整体所感
自律神経が乱れることによって筋肉や内臓系に緊張が入ります。
それが蓄積して許容範囲を超えると痛みなど不調になります。
(病院で異常が無いことが前提ですが、整体の範疇の不調すべてに緊張の蓄積は関わっています。)
逆に、これらの緊張の解放を促していけば、その場で不調は改善の方向に変化します。
緊張の蓄積は、その大半は古い過去の緊張であることが多く、何らかの理由により自然な解放が進んでいないだけの状態なのです。
したがって、解放を促すきっかけ(技)を入れれば、その場で、カラダ(脳)が緊張を一つづつ解放してくれます。
改善の速さは緊張の蓄積量に左右される
ストレスなどで緊張が体にかかっても、それがすぐに解放されている人は不調が出にくいわけです。
つまり、不調が慢性化していたり、繰り返されたりするのは、緊張の解放が滞り、溜まった緊張が許容範囲を出たり引いたりの状態になっている訳で、緊張の量を減らさなければなりません。
したがって、改善の速さは、溜まった緊張の量によって左右されます。一回で安定される方もおられれば、回数が必要な方もおられるわけです。
今回の緊張の滞りの要因を振り返ると、
想定外の水害への対応があったが...
重いものを持つことが増えたりで、今回、それによる悪化もみられましたが、施術を通じて感じたのは、この負荷による影響はさほど問題視することなく進めていくことができました。
事故・怪我・手術・心的ショックなどの影響
事故の影響は、自然な解放を妨げる要素として大きくかかわっていました。
マスキング現象と呼んでいるもので、
事故や怪我など、びっくりしたり我慢した時に体に広く覆う緊張が、その奥にある緊張の自然な解放を妨げてしまう現象です。
長年の慢性化を助長していた一番の要因は?
防御反応と呼んでいますが、
体に緊張がかかった箇所に対して、伸ばしたり、刺激を入れたりすると、体はその箇所を守ろうとして緊張を入れてきます。
つまり、刺激により、緊張がかえって高まることになります(蓄積が増える)。
初日のヒアリングで、
「3ヶ月まえ、筋肉つけろと指導されて運動していたら、急に膝の内側に痛みが出始めて、長く歩けなく、今は触れただけでも痛くなっているんです。」
とありますが、これなどはわかりやすい事例で、休むべきタイミングで逆のことをおこなうことで防御反応が起きて痛みが広がってしまった事例です。
事故後のように、体全体が緊張している状態のところに刺激系の療法を入れることも同様です。
それにより、かえって辛い範囲が広がったということはよくあることです。
今回は、各事故後の対処、辛さに対して良かれとおこなってこられたことが、結果的に、緊張の増加と複雑さにつながり、施術回数が増えることになりました。
治癒力は皆様に備わっていますので、検査で異常が無ければ、『休む』、『何もしない』ことが大切なタイミングもあるということです。
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完全無痛の技術
- 技術的特徴
- ●不調の原因(緊張)を捉える技術(整体チェック法)
- ●緊張の開放を促す技術
- この2つが一体化していることが特徴。
- 緊張の解放に比例した、不調やバランスの改善をその場で確認できます。
お辛さには必ず原因が存在しています。
医療機関で手だて無く悩んでおられる方へ、意外と整体的要因が原因である場合があります。ご相談ください。