慢性腰痛が足まで広がり坐骨神経痛になった40代女性
良かれとおこなっていることが、不調の慢性化を促進していたということはよくあることです。
慢性腰痛だけだったのが、
体にストレッチとか刺激の類とか、不要な刺激で坐骨神経痛に至ったお客様の改善事例です。
慢性腰痛が足まで広がり坐骨神経痛になった40代女性の施術
お身体の状態と経緯
- 4年前のぎっくり腰
- 4か月前のぎっくり腰 → 慢性腰痛
- 一か月前右お尻に痛み → 足の太ももの裏(ハムストリングス)の痛み
「4か月前のぎっくり腰以来、腰痛が続いていました。」
「それだけでなく、一か月前から、だんだんお尻や太ももの裏が痛くなってきたんです。」
「肩こりも慢性化しているんですけど、1週間前から肩に激痛がでるようになりました。」
40代女性。
日常おっこなっているのは、
- 朝晩のストレッチ
- 家庭用低周波治療器・灸
座ってお尻の痛み。
立つているだけで、お尻と太ももの裏 ( ハムストリングス )の痛み。
前屈もお尻と太ももの裏が痛むが、立位のほうが強いらしいです。
頭上で首の強い痛み。肩甲骨間の詰まり感。
整体チェック法でみた不調との連動(引き合い)部位
お尻から太ももの裏の痛み:
- からだ内部緊張との連動 20%
- ストレス系緊張が直で関わる 30%
- 左太ももの緊張との連動 50%
首の痛み:
- からだ内部緊張との連動 20%
- ストレス系緊張が直で関わる 30%
- 左太ももの緊張との連動 40%
- みぞおちの緊張との連動 10%
自律神経がかけている緊張に対し自然な解放を促す施術
自律神経が起こす筋反射を利用した整体チェック法で、からだに溜まった緊張を一つ一つ捉え解放を促していきます。
マッサージやストレッチなど刺激は入れない施術です。
施術経過
初回施術
日常おこなってられた、ストレッチやマッサージからくる防御反応の緊張の解放。灸と低周波治療器からくる防御反応の緊張の解放をおこなっていきます。
これらを繰り返しながら、部位間の緊張連動を取っていきます。
最終、
左首つっぱり、左肩甲骨内の痛み、前屈での右太ももの裏の痛み残った。
立位の痛み、座位の痛みは無くなりました。
緊張の蓄積が多い事例です。
- ストレッチや低周波などカラダへの刺激をすべてやめてもらう
- 半身浴など冷え取りをおこなってもらう
日常の注意点をお伝えして終了。
2回目施術 前回から3日後
「あの後、帰って3hが痛くて、それを過ぎると楽に感じました。」
「次の日、太ももの裏と腰が少し痛み。昨日はふくらはぎの痛みを感じました。」
「全体としては、最初より3割楽な感じです。」
からだに溜まった緊張の蓄積を取っていく施術なので、改善の過程で古い緊張が表面化してきます。
それによって、違う箇所に痛みが出てくることもあります。
前後屈で、少しだけカラダが曲がってきました。
3回目施術 前回から11日後
「痛みは軽いんですけど、ふくらはぎがピリピリ歩きにくい。」
「腰、お尻、太ももの裏はまだあります。腰が強く出てきています。」
動きの確認で、柔軟性はさらに増えてきています。
4回目施術 前回から10日後
「歩きにくい感じはあるけど、だいぶましになってきました。」
「からだも曲がるようになってきたし。」
「痛い箇所は色々移動しますね。」
「肩首のつらさが気になります。」
5回目施術 前回から18日後
「足が気にならなくなって、腰が気になるようになりました。」
「寝ているときに、ふくらはぎがつりそうになりました。」
「力入って、顎をくいしばっているかもしれません。」
6回目施術 前回から4週間後
「腰の痛みは前よりよくて、今は左腰に感じます。」
「足は気にならないです。」
「顎のズレ感は気にならないけど、肩こりは感じます。」
7回目施術 前回から一か月後
「仕事で疲れたら腰に出てきますけど、シップ貼るに至らないし、休んでいると自然に消えます。」
「肩首は前より良くて、朝の痛みが出なくなりました。」
足の冷え感の改善もおっしゃってられました。この後は、少しずつ間隔をあけながらのメンテナンス施術で、首肩コリの慢性化からも抜け出していきます。
整体所感
刺激に対する防御反応が悪化に関わっていた
- 朝晩のストレッチ
- 家庭用低周波治療器・灸
これらについて、
「これ以上ひどくならないようにがんばっていた。」らしく、
頑張るに比例して、現実には悪化していたことは、ヒアリングから明白です。
ストレッチは不調がなくカラダに余裕があるときは、健康法として有効です。
しかし、不調が出ているということは、脳が筋膜に緊張を入れている状態なので、緊張している箇所を無理に伸ばすと、脳は元の状態に戻してしまいます。
その時に、さらに強く緊張を入れてくるので、緊張が高まり悪化するのです。
緊張の解放に比例して可動域も増えていった
上記、施術経過の施術前のスナップショットで、改善に比例して可動域も改善しています。
緊張の蓄積が不調を生み、痛みだけでなく可動域にも制限がかかってくるわけです。
当院では行いませんが、刺激を入れて痛みを変化させることは可能です。整体の世界に入るためにそういう技術を習ったことがあります。
からだに余裕があるときは、刺激によって痛みは変化しますが、緊張の蓄積としては、防御反応が加わる分悪化しています。
つまり、それを繰り返すと、溜まった緊張が許容範囲を超え、限界を迎えてしまうのです。
痛みの変化やコリの変化だけを指標にするのではなくて、可動域がどうなっているか?などをチェック項目に加えると、普段、良かれとおこなっていることが合っていないことに早く気づける可能性があります。
痛みの出方が変化するわけ
緊張の蓄積を減らしていくと、どんどん奥の古い緊張が表面化してくるので、そのころ出ていた不調の出方に近い痛みを感じることがあります。
痛みの位置が移動することがあるのはそのためです。
今回は、太ももの裏とお尻の痛みの後に腰の痛みが出てきました。
施術で古い緊張を減らして、 新たに自律神経が乱れて溜まる緊張を防ぐことで、カラダに余裕が出てくると、
「疲れて痛みが出てきたけど、休んでいたら自然に消えた。」
みたいに治癒力が活性化したり、不調を繰り返しにくいカラダに変わっていきます。