手術入院のあと膝と足首の痛みで短距離走が走れなくなった中学生男子
「手術してから、調子が前のように戻らん。」とか、伺うことがよくあります。
手術自体は成功しているし、手術痕も治癒しているのになぜ調子が戻らないのか?
これは、手術といういつもと違う状況で体にかかった緊張が、緊張の自然な解放を妨げるようになったことで起きていることが多いです。
年齢に関係なくこのようなことは起きる場合があります。
一か月前の手術入院後から短距離が走れなくなった中学生男子の施術
お身体の状態
「部活の短距離走で、走り始めるとすぐに両膝と左足首が痛むようになったんです。」
「一か月前に、足以外の箇所の手術をして入院しました。手術したところをかばったからかなあ?」
「膝は、手術の前から何となく痛みを感じたことがあったけど、退院して、走ると強く痛むようになっていました。」
「左足首も退院後に痛みが出るようになりました。」
中学生男子。
「部活ができない!と言い出したので連れてきました。」と、お母様とご来院。
痛みはジャンプでも出るらしく、その場でジャンプの確認をして施術に入りました。
整体チェック法でみた不調との連動部位
両膝内側の痛み:
- からだ内部緊張との連動 20%
- ストレス系緊張が直で関わる 20%
- 全体を覆う緊張との連動 50%
左足首の痛み:
- からだ内部緊張との連動 20%
- ストレス系緊張が直で関わる 20%
- 全体を覆う緊張との連動 50%
ほぼ同じ関係性です。このなかの、全体を覆う緊張は、からだ内部に溜まった緊張との関わりが強そうです。
自律神経がかけている緊張に対し自然な解放を促す施術
自律神経が起こす筋反射を利用した整体チェック法で、からだに溜まった緊張を一つ一つ捉え解放を促していきます。
マッサージやストレッチなど刺激は入れない施術です
施術経過
初回施術
チェック法でみながら、順序よく古い残緊張の解放を促していきます。
緊張が自然に抜けにくくなっているポイントは、やはり手術の時系列が反応していました。
ある程度取ったところでジャンプの確認。
「まだ痛い。」
再調整で、
「ジャンプは大丈夫です。」
次に、外を走っていただきます。
「痛いけど、いつもよりましです。」
再調整を2回繰り返し、最終は、痛みレベル2割ていど残って終了。
2回目施術(前回から5日後)
「まだ痛みが出ます。」
「膝の痛みは5レベルに下がりました。」
前回の後、3回部活に参加して、練習での痛みは半分以下になっていたみたいです。
他の運動の習い事もされてて、足を踏ん張ったりの動作があるみたいですが、いつものように動けたみたいで喜んでいただけました。
この日の施術では、外で走って、一往復であれば問題ないレベルになって終了。
3回目施術(前回から9日後)
「だいぶ楽になってきました。」
「膝と足首は出なくなりました。」
「激しい練習の時に、左の太ももの裏に引っ張られる痛みがでることがあります。」
「走れる痛みです。」
だいぶお身体に余裕ができてきました。
もう大丈夫でしょう。
整体所感
病院で異常がない不調は、自律神経がかけてくる緊張が溜まることで起きています。
今回は、一か月前の手術の時系列の残緊張が主に不調に関わっていました。
自律神経が乱れて筋膜にかかった緊張は、本来は、ストレスが過ぎると自然に解放されるのですが、かかる緊張によっては、自然な解放が滞りやすくなることがあります。
自然な解放が滞ると、緊張が高まってしまうので不調が発生しやすくなるのです。
緊張の滞りのきっかけとしては、
- 事故
- 怪我
- 手術
- 心的ショック
- 不要な強い物理的刺激
などがあります。
例えば、手術など体にメスが入ると、自律神経はそこに緊張をかけてきます。
手術後、肉体的には完治しても、その時かかった緊張はそのまま残っている場合があると感じています。
それが緊張連動を複雑化したり、それまでに溜まっていた緊張の自然な解放を妨げたり、ということが起きていると緊張を紐解く施術を通じて感じています。
今回は手術がきっかけでしたが、過去に受けた体に合っていない施術とかが、根深く滞りの元になっているケースがあります。
不調の改善は、なるべく治癒力に任せて、不要な刺激を体に入れないことが大切です。
緊張の蓄積を解放していくと、不調だけでなく、からだのパフォーマンスアップにもつながるので、不調が消えてからのメンテナンスで、さらに余裕を作っていくことは、記録を目指される方にも良い方向に働きます。