マスキング現象にアプローチできると改善が早まる
整体におけるマスキング現象とは。
単純に言えば、カラダを広い範囲で緊張層が覆ってしまって、その奥にある緊張層が自然には抜けにくくなる現象です。
たとえば、事故や怪我や心的ショックなどの時に発生しやすいと考えられています。
「事故をして、その時は何ともなかったがしばらくして辛くなった。」
こういう事例ではマスキング層が反応することが多いです。
つまり、蓄積現象の一つですが、マスキングにアプローチできるかどうかで改善に大きな違いが出てくるわけです。
(緊張の蓄積現象については、下記リンクご参照)
マスキング現象を事例で紹介
4年前の洪水で逃げた時の足の辛さが抜けない。60代女性
「4年前の洪水で、水の中を歩いて逃げたんです。」
「それ以来、股関節から太ももにかけて筋肉痛の様な痛みがついてしまって。」
「しゃがんだら、ちぎれるような痛みですけど、ひどかったりゆるかったり波があります。」
「片足立ちができないですし、不眠もあるんです。」
MRIで異常無くご来院の60歳女性の事例です。
4年前の足の疲労がいまだに抜けないだけでなく、ちぎれそうな痛みとして強まる場合がある。
整体チェック法では洪水という事象がマスキングとして反応
チェック法で洪水マスキングに照準を合わせ、その奥に紐付いている緊張層の解放をくりかえします。
確認で、
「太ももの痛みが無くなってきています。」
「片足立ちもなんとか。」
太ももの痛み無くなり終了できました。
【2回目の施術 3日後】
「ずいぶん楽です。体操教室にも行ってみたんですよ。」
「睡眠もとれるようになって嬉しい。」
「今日は膝の横にドーンとした痛みが残っているだけです。」
「あと、右足首が歩くときにねじれそうな感じです。」
同様の施術で、片足立ち不自由なくなり終了。
この後、太ももの強い痛みは再発していません。
マスキングの発生と施術原理
1.洪水を逃げている時の足の疲労
2.命にかかわるので休むことができない
危機的状況下でマスキング的に広い範囲で緊張層が覆い、気が張った時のような状態になり、なんとか歩くことができた。
3.マスキングは抜けにくい緊張層
命は助かったのですが、マスキング層自体は記憶と連動していてカラダに残りやすい。
つまり、その下の緊張層も抜けにくい状況になってしまうわけです。施術経過から、太もものちぎれる様な痛みや片足で立てない現象がなぜ4年間も続いたかは、1~3の様な経緯で起きていたと解釈しています。
マスキングに照準を合わせ奥の緊張を解放させる技術
整体チェック法を使った、自律神経系の技(相対解除の間接手法)でマスキング層に隠れた緊張を解放していきました。
マスキング層自体は記憶とリンクしていて残ると考えられていますが、その奥の緊張層が減ることで、具の無くなったサンドイッチみたいに、緊張層トータルとしては少なくなって辛さが無くなったわけです。
カラダの許容範囲内に緊張の量が収まったということです。
マスキング現象にアプローチできることが早期改善につながる
施術は変化の確認を繰り返しながら進めていきます。
ヒアリングなどを元にチェック法でマスキングを探り、それに紐付く緊張層を解放することができると、その場で不調や可動域などに大きな変化が起きます。
初回の施術時に、事故、怪我、手術、環境の大きな変化などマスキング現象を捉えるためのヒアリングを行います。
詳しい内容はお話していただく必要はありません。
「〇歳の時に事故に遭った。」みたいに時系列などでポイントさえつかめれば、整体チェック法で捉えることができます。そして、その奥の緊張にアプローチしていけるようになります。
不調は過去の事象全てと関連している
「昔の事だから関係ないと思いますが...。」
蓄積という概念では、事象の古さは関係ないです。
きっちり、その時に治癒力によって処理されていなければ、最近出た不調とも連動してしまっている可能性がある訳です。
カラダに付帯した緊張層の蓄積をどんどん解放していけば、不調は減り、元々持っている機能がうまく回るようになってきます。
習慣改善と整体を合わせて行うことで本来の状態にどんどん戻っていきます。