膝の痛みと腰痛で歩きにくく膝関節の内視鏡手術で変化ない80代女性
骨が折れていたり、筋肉の組織が傷んでいたら、カラダはそれを修復しなければならないので、その箇所に痛みを出してくれます。
そのおかげで、それに注意しながら生活を送ることができ、改善が早まります。
しかし、関節の半月板とか軟骨とかの状態は、あまり痛みとは関係してない事例が多いことを施術から感じます。
医療界でも、患者の後追いができて、結果を出している先生は軟骨の状態と痛みの関係を否定されています。 医学博士 加茂淳 先生のブログのリンクを引用しておきます。
膝の痛みと腰痛で長く立てない 座った状態からすぐに動けない 80代女性の施術
「両膝と腰が痛いから、長く立っとれんです。家では、必ず何か持ちながら歩く。来客でもすぐに玄関に出れんの。」
「10年前に左スネの骨折がありました。」
「7年前内臓系の手術してから足の調子が悪く感じるようになったんです。」
「1年ちょっと前に膝に痛みが出始めて、膝の中の不純物を取る内視鏡手術をしました。けど、良くならなかった。」
「膝はあぐらの様にべた座りして伸ばすときも、イタタッってなるんです。」
紹介でご来院。80代女性。
立位、膝の内側と腰に痛み。歩くと同じく膝と腰に痛み。立っているときのほうが痛みを感じる。後屈でも腰の痛み。膝の曲がりが、左膝の角度が右膝より浅い。
施術経過
整体チェック法でチェックしながら、反応する不要な緊張へ自然な解放を促していきます。 (マッサージやストレッチなど不要な刺激は入れません。)
初回施術
整体チェック法でみた不調との連動(引き合い)部位。
両膝内側の痛み:
- からだ内部緊張との連動 20%
- ストレス系緊張が直に関わる 30%
- 左ももの緊張との連動 40%
- みぞおちの緊張との連動 10%
腰痛:
- からだ内部緊張との連動 20%
- 左ももの緊張との連動 30%
- 右足首下の緊張との連動 50%
整体チェック法でみながら、順序よく古い残緊張の解放を促していきます。
緊張が自然に抜けにくくなっているポイントとして、手術の時系列でのマスキングが関わっていましたが、お仕事で使われていたミシンとのかかわりが、整体チェック法に反応してきます。
関連する残緊張の解放と各部位との引き合いを取って確認。
立っていただくと、
「腰は痛くない。膝は違和感があるくらい。」
歩いていただくと、
「膝に少し違和感。」
後屈で、
「腰痛くないです。」
再調整で、膝の曲がり角度を見ていただくと、
「曲がってきた。 揃うて来ている?」
同じではないですけど、角度差は狭まりました。
「足が前に出る!」
歩きの確認で、よたよた感が減ってきました。
2回目施術(前回から6日後)
「腰は良い。膝はまだ痛いけど、前ほど腰掛けんですんだ。」
「立っとっても、すぐ腰掛けようとしてたけど。」
3回目施術(前回から13日後)
「腰はいいけど、立っているとき、まだ膝に来ます。」
「地べたに座っとって、立とうとするときの膝の痛みは、まだ強いです。」
4回目施術(前回から11日後)
「地べたに座っとって、立とうとするときの膝の痛みが無くなりました。」
「立っとる時と歩く時の膝はまだ痛い。」
5回目施術(前回から21日後)
「だいぶ良くなって、歩いています。」
「立てっとっても前より良いし、買い物行っても歩けるし。」
「膝にくることはありますけど、鋭い痛みは出なくなりました。」
6回目施術(前回から4週間後)
「肩こりを感じるようになって、両方の肩がつらいです。」
「膝は前回と同じような感じで、最初の様な事ありません。」
緊張を取っていく施術なので、肩こりは、奥にあった古い残緊張が出てきていたみたいです。
7回目施術(前回から一か月半後)
「肩こりあれから大丈夫です。」
「間隔は開いたけど、歩き具合良いです。」
「だいぶ歩けてる。」
今日はお友達とご一緒で、集まりで重いもの持つことができているお話など伺えました。
まだ、日常、左膝に痛みを感じることがあったりで課題はありますが、動けていることを喜んでいただけました。
一か月半開いてこの状態であれば、この後は、時々のメンテナンスで大丈夫そうです。
車の運転をされないので、紹介者様やご近所の方が送り迎えしてくれたり、施術に興味を持った大阪の娘さんが送り迎えしてくれたりで、皆様ありがとうございました。
整体所感
今回、ストレス系の緊張の蓄積が目立ちました。
緊張が滞るきっかけになる、緊張のマスキング層としては、手術がチェック法に反応してきましたが、歩きに影響が出やすくなっていた主のポイントは、右の足首周囲に溜まっていた緊張でした。
参考ページ → マスキング現象にアプローチできると改善が早まる
お仕事の現役の時に常に使用されていた『ミシンの動作』によって、その箇所に緊張がかかりやすくなっていたと思われます。
ストレスによって自律神経が乱れて筋膜に緊張がかかります。緊張が溜まると痛みや可動制限が起きます。
骨が折れたり、筋肉が傷んだりみたいな異常がある場合は、その箇所に必ず痛みが出ますが、ストレスによる緊張をどこにかけるかは、脳が自由に判断すると考えています。
つまり、人によってどこに緊張がかかりやすいかはそれぞれです。
よくあるパターンとして、
- オーバーワークに関連する箇所
- ストレスを感じる事(動き)に関わる箇所
- 過去に傷めた箇所
などがあります。
たとえば、スマホのし過ぎで、首、指、肘に痛みが出るのは、SNSなどを気にしすぎて脳が疲労するために、 脳がスマホチェックをやめさせようと、首・指・肘に痛みを出して阻止している現象であることが多いのです。
足を使うスポーツされているお子さんで、踵の痛みなど足の辛さで来られた方の中には、親の期待に応えることがストレスとなっていて、『その競技を休む理由』を脳が痛みという形で作ってしまっている場合があります。
だから、競技や動作の要な部位に痛みが出やすくなる場合があるのです。
やりがいを感じている仕事は、体感的にはストレスではないのですが、知らず知らずのうちにオーバーワークになっていることが多く、そのお仕事に関連する動作に脳が緊張をかけて制限してくる場合があるので注意が必要です。
楽しんでおこなっている事でも、ストレスとしてカラダが受け止めている場合があるということです。
今回は、このパターンで右足首に緊張が徐々に溜まっていった可能性があると推測しています。
総じて、痛みは、メンタルとの繋がりがとても大きいと、施術を通じて感じています。