朝の強い首の痛みで起きれない日もある 40代女性
普段の首の慢性痛だけでなく、朝、目が覚めた状態で強い首痛を感じる。
マクラが合ってないのか?何なのか?と悩んでられました。
からだに溜まった緊張が増えすぎたから、負荷がかからない寝た状態での痛みを生んでいるのです。
マクラの選び方なども簡単に解説します。
朝の強い首の痛みで起きれない日もある40代女性の施術
からだの状態
「朝、首がものすごく痛いんです。昨日は起きれないかもしれない状態でした。」
40代女性がご来院。
中学の時に原因不明の首の激痛が起きてから、慢性的な首痛に悩まされている。
加え、ぎっくり首と首に連動したぎっくり腰を繰り返されている。
整形外科では、ストレートネックと首の長さを指摘されている。
リハビリでは明確な変化がなく、寝て起きた時の強い痛みも加わったことで、整体施術の選択をしていただけました。
施術経過
整体チェック法でチェックしながら、自律神経がかけている緊張の解放を促し、溜まった緊張を一つずつ減らしていきます。マッサージやストレッチなど、不要な刺激は入れません。
左側の首痛に紐付く緊張は、意外と首の右側の緊張が目立ちます。それらは内部緊張との引き合いで抜けにくくなっています。
他は頭部緊張と太ももの緊張との引き合い。
腰痛は、右側の首、太もも、頭部の緊張との引き合いが目立っています。
ある程度、緊張が減った状態で立っていただき動きの確認。
頭を動かしていただくと、
「首はまだ痛い。肩はさっきより柔らかい。」
前後屈で、
「あ、さっきより後ろに曲がる。」
「痛みないです。」
引き続き、緊張の開放を促して、
「あ!首、そんなに痛くないです。不思議!」
再調整で、頭前後左右、肩回し、前屈、後屈で痛みなく可動域改善して終了。
2回目以降、施術前ヒアリングで経過をみる
術前ヒアリング | |
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2回目ヒアリング (前回から7日後) |
週の後半、仕事が忙しくなると首がガチガチになってきました。前半は楽でした。 朝の慢性的な痛みはありますが、起きれなくなる痛みはでていません。 半身浴はしっかりしました。 |
3回目ヒアリング (前回から11日後) |
朝起きた時の首の痛みが強くなってきました。起きてしばらくしたら消えていくのですけど。これを毎日感じていました。 肩こりは以前よりよい感じがあります。 |
4回目ヒアリング (前回から3週間後) |
朝起きるときの首の痛みがだいぶ和らいできました。頭が回らない感じが無かったです。 でも、先日からの連休でたくさん寝ていると、ちょっとでてきました。 |
5回目ヒアリング (前回から一か月後) |
ここ一か月、調子がすごくいいです。 朝、少し痛みがあることがあるのですけど、それ以外大丈夫です。 仕事中、忙しくなるとこり感がでることがありますけど、引いていきます。 この施術でさらに安定し、施術は必要なくなりました。 |
施術経過から、生まれつきである首の長さ、ストレートネックについて、首の痛みとの相関はないケースでした。
整体所感
ストレスがかかれば自律神経が筋膜に緊張をかけてきます。
通常、そのストレスが去れば緊張は解放されます。
しかし、ストレスの内容によっては、時がたっても緊張がかかりっぱなしになるケースがあり、かかりっぱなしの緊張が増えてたまってくると、痛みや可動域の制限が起きたりします。
緊張がかかりっぱなしになりやすいストレスとは、
- 事故
- けが
- 手術
- 心的ショック
などがかかわっていることが多く、たとえば、事故後、「病院では異常が診られなかったが、後で首が痛くなった」など。
そのような方の施術などを通じて、かかりっぱなしの緊張と痛みとの相関を感じるところです。
施術では、今までの治療履歴をヒアリングします。
併せて、上記ストレスのヒアリングもします。
すると、治療履歴から見えてくるつらさの増減が、上記ストレスの履歴とリンクしている方がほとんどです。
マクラの選び方
施術でからだに溜まった緊張が減ってくると、マクラの悩みを訴えられなくなる方がほとんどです。
たとえば、ソファーでうたた寝をしたとか、首が90度くらいに曲がった状態でも緊張が少ない方であればその弊害は起きにくい。
ベッドに寝た状態の様に負荷が分散された状況であればなおさらです。
寝違えなど、朝に感じる首の痛みは、単純に自律神経とストレスの関係で首の位置に痛みが出たということで、マクラのせいではないと考えています。
マクラの高さは流動的なもの
痛みとマクラとの相関はないと考えていますが、睡眠を快適にするためにマクラ選びは大切と考えています。
私は、整形外科医の山田朱織先生のマクラに対する考え方に共感しています。
寝返りしやすく、頭が沈まない硬さがマクラには大切です。
加えて、整体師として感じていることは、
マクラの高さは固定しないほうがよい(日々流動的なもの)
たとえば、前回公開した施術例の姿勢の変化をみてみます。
からだに溜まった緊張が減ることで、無理なく猫背が改善しています。
初回の施術前の緊張の溜まり方であれば、高めのマクラが必要になってきます。
しかし、9回目の状態であれば、猫背が解消し首の柔軟性が確保されている状態なので、マクラは低くてもかまわない。横に寝た時の快適さで選ぶと良いでしょう。
かまぼこの板の様な形状で、寝にくくない範囲の硬さで、低めのマクラをベースにして、
緊張の溜まり方(疲れの溜まり方)に合わせて、タオルをかけて高さを増したり引いたりで日々快適な状態を確認して使用すると良いと思います。