口が開けづらい12歳男子の施術から少年期の整体を考える

2024年11月14日

2~3か月間隔でメンテナンスいただけているお客様の息子さんの調整をさせていただけることになりました。

動きの確認では、アゴに可動制限がかかっていました。その改善経過と少年期の整体考察です。

口が開けづらい12歳男子の施術経過

改善動画(初回から6回まで)

口の開けづらさは2回の施術で少なくなってきました。

しかし、顎関節のアンバランス(関節円板のズレ)が明確になってきて、5回目の施術前の確認では消えていたので、アンバランスは4回で改善していたことになります。

6回目はメンテナンスで4か月開けての施術でしたが、アゴに関しては開けにくさもズレもなく、よい状態を維持できていました。

整体チェック法でみた不調との連動(引き合い)部位

  • からだ内部緊張との連動 40%
  • ストレス系緊張が直で関わる 20%
  • 脚部の緊張との連動 20%
  • 背中の緊張との連動 20%

内部緊張は、技の経緯から、ストレス系の緊張と思われます。

総じて、心的ストレスにより自律神経が乱れて起きる緊張が、マスキング層との兼ね合いで滞り、蓄積していたことになります。

他の不調への効果

この度のご来院のきっかけは、継続的に出ている他の不調への効果を期待していただけてのことです。

体質的な要因に環境的な要因が重なって起こる症状と言われていて、ヒアリングでもよく伺う症状ですが、それに対しては、施術の経過との明確な相関は今のところみられていません。

整体所感 少年期の整体を考える

自律神経が乱れてからだにかかる緊張。

これがうまく解放できなくなれば、緊張は蓄積し、不調の元になります。

緊張を減らしていけば不調は減り、制限がなくなるので、元々持っている治癒力などがうまく働きだす傾向が見られます。

心的ストレスや温度差ストレスなどによって自律神経が乱れてるわけで、少年期であっても大人と変わらない緊張がかかっている場合があります。

他の方の例ですが、

  • 立位で腰が曲がっている
  • あぐらがかけない

硬直しているかのような状態で、2回の施術で子供らしい柔らかさに変ってきました。

緊張の蓄積は、必ずしも痛みやしびれや可動域などの不調として出るわけではなく、他の形で出る場合もあります。

→ チック症5歳男子の事例

この子の事例は印象的な事例でした。3年後、違った出方で再発し再来院、4回の施術で改善。今は様子を見ている状態です。

習慣改善で自律神経の乱れを減らす

すでに溜まっている緊張は、自律神経に着目した整体で解放していけます。

しかし、新たに入る緊張を防ぐように習慣改善は大切です。

いちばん取り入れやすい改善手法は、

  • 冷え取り
  • 靴下の重ね履き

で、冷えというと自分には関係ないと思いがちなのですが、温度差ストレスに対する対策で、結果的に自律神経の安定効果も得られるわけです。

患者さんに靴下の重ね履きや半身浴で下半身を温める「冷え取り」をすすめたところ、治療効果はさらに上がりました。そして私自身、長年の肩こりや歯痛から解放され、風邪もひかなくなったのです。

『冷え取りの手引書』進藤義晴 医師 著

私自身、朝45分の足湯、靴下の重ね履き(自己流)を10年以上続けていますが、上記引用が納得できるところで、からだがどんどん調子よくなるのでやめられなくなっています。

ご参考:冷え取りでアトピー性皮膚炎が変化した事例→アトピーと自律神経の乱れ 緊張の蓄積現象との関係

自律神経以外の要因は?

食の影響をいわれる先生もおられます。

患者さんの心の不調と日々向き合う中で、「医療は栄養摂取を軽視してきた」ことの非を痛感しております。「だるい、おもい、つらい」と不調を訴える人の多くは、肝心の栄養が満たされてないことが大きな問題なのです。

『うつ消しごはん』藤川徳美 医学博士 著

娘さんに試して、効果を認めてられるお客様がおられます。整体的不調にも関係する可能性はあります。

からだに余裕をつくる

若いほど不調は出にくいと考えられていますが、自律神経という見方で考えると、ストレスを受ける条件は大人と差がないと感じています。

からだに溜まることで影響がでることは間違いなく、付帯する緊張を減らす努力は、習慣改善も併せて行うことが大切です。

からだの許容範囲に対してさらに余裕ができることで、治癒力活性化。からだのベースの部分が変わっていく。

時間はかかりますが、体質改善にもつながっていくと感じています。